三重大学みえの未来図共創機構 産学官連携推進部門

トピックス

2014.12.08

中心市街地活性化タスクフォース 第3回全体会議

12月4日、津市センターパレス中央公民館ホールにおいて、津市を元気に!チャレンジプロジェクト(中心市街地活性化タスクフォース)第3回全体会議が開催されました。

今回はゲスト講師として、せいわの里まめやの北川静子氏をお迎えして開催し、事業概要と経緯の説明の後、講演を行っていただきました。

講演ではどのように運営されているかはもちろん、使われている食器が持ち寄りであること、ざぶとんは地域のおばあさんが昔嫁入りの際に持ってきた着物をほどいて作り、盆やざるなどはおじいさんの手作りであることをお話されました。また、足元にはたくさんのお宝が眠っていること、地域のお年よりは知恵袋で金の卵であるということもお話されました。

つづいて、各チームの中間報告があり、それに対してゲストの北川様、前葉泰幸津市長からもアドバイスをいただきながら、西村訓弘が三重大学地域戦略センター長にファシリテートを行っていただく形で行われました。

 

《津ぅリズムチーム(津市の魅力を引き出すチーム①)》

○発表概要

企画名は「津がつながるツアー 津ぅリズム」。目指すものは、津のことを知る機会、発信する機会、そしてつながるネットワークを作る機会を作るということ。それで「津がつながるツアー」という企画名になった。

ツアー参加者の対象は津の事を知りたい人で、少人数を想定している。津検定受験者、ガイド会の方、学校の先生、津に住んで間もない人などに声をかけて行きたい。

内容は研修的な要素を持った「能動的に学ぶツアー」である。

エリアの選定については、美里、久居、香良洲を候補として検討している。

 

○質問・意見

・それぞれの個性を活かして、点としてそこを結ぶイメージにしたらよいのではないか。地域資源を深く掘り下げることは大切である。

→ひとつの地域を深めていくことが目的ではなく、津市の地域ごとを同じテーマ繋いでいけたらよいと考えている。

・何をもって地域の魅力とするか。地域の魅力をツアーの企画者が決め込んでないか。地域の人たちと、何が地域の魅力かを一緒に考える必要があるのではないか。魅力の定義づけを勝手に行うと、見えるものまで見えなくなってしまう。まずは一ヶ所で掘り下げてやってみるのはどうか。

→どこの地域を活性化するということがメインテーマではなく、地域ごとを繋げて津市の中心市街地を活性化するということがテーマである。

・地域の人に迷惑をかけてはいけない。今の話だと少し一方的に聞こえてしまう。やわらかい姿勢で地域に入っていくことが大切。そのためにも1つの地域から始めるという北川さんの意見に賛成する。

 

《大門☆夢かなえ隊(津市の魅力を引き出すチーム②)》

○発表概要

企画名は「大門再生伝説」。人が若返る、物が復活する商店街を目指し、その第一歩として、大門商店街に女性高齢者向けのメイクとおしゃれを楽しんでもらえる場所をつくり、いきいきと輝いてもらうことで賑わいを創出する。

目指す将来像は「大門に来ると再生できるという伝説になる」ということ。大門を今以上に美があるまちにという意味で、「大門存美い族作戦」と、平日の昼間に散策・飲食・買い物をする人を増やすという意味で、「昼間族増員作戦」という作戦名を考えた。

ターゲットは高齢者の女性の方で、おしゃれの後の交流の場として大門商店街を活用する。その際には復刻メニューを目玉にしたい。

商店街アンバサダーを育成していきたい。ただ歩くだけではつまらないので、面白い情報を伝えていきたい。

 

○質問・意見

・目的が良く分からなかった。商店街の活性化?集客・売上げ?

→土日はイベントがあるが平日は寂しい。日常的に高齢者の方に遊びに来てほしい。

・商店街の集客をしたいのか、売上げを伸ばしたいのかが知りたかった。商店は日常じゃないと集客にならない。メイクを受け入れられる高齢者の方は一部だと考えている。他のエリアの人が商店街で何かする、例えば美杉の人が売りに来る様な。そういうことで高齢者の方のしていることで売上げが上がったり、交流したりしたほうが、いきいきにつながるような気がする。大門や伊勢の新道商店街は高級な商店街というイメージがあり、駐車場もお金を払ってでも行くようなところだった。車で来る人たちのほうが停めやすいというのが集客に必要だと思う。

・今の時代、商店街に行かないと手に入らないなど、付加価値が重要。各地域から野菜などを仕入れて、各商店で少しずつ置いて売るなども面白いかも。大門にしかないものを仕入れたらよい。きらびやかな場所が中心市街地でいい、これが今の時代の中心市街地なんだという。メイクもいいが、イベントにしてしまうともったいない。郊外大型店舗などの均一化しているものから取り残された人たちのニーズを拾い上げて商店街活性化に活かしていければ。

・観音さんを忘れている。大門と言えば津観音。ターゲットが中高年だからますます大切になってくるだろう。

→メイクをしてもらった後には観音さんにお参りする予定。

・何を目的とするかをもっとクリアにしていくと意義が出てくる。やってみて感じ取ることを大切に、どうやったら定着していけるのか考えてみるといい。良いこと悪いことを洗いざらい出して、その上でやっていけるのか考えていくといい。

 

《ツゥのサロン(コミュニティ作り)》

○発表概要

企画名は「つながる・ひろがる ツゥのサロン」

NHKのほっとイブニングで取り上げられたので、DVDを使用し番組を流した。番組では似顔絵の制作過程と、完成後イベントで投票を行い、グランプリを決めるまでが取り上げられていた。津新町の商店さんの取材で多く構成されていた。

津新町だけで終わらず、大門商店街、津駅前商店街など、ゆくゆくは津市全体で取組んでいけたらよい。全国的にも初めての取り組みということで取材も受けた。メンバーはしないに広げていく気持ちで取組んでいる。

 

○質問・意見

・どこへ持っていくのか、落としどころを考えないともったいない。イベントに関わった人たちには連帯感などがあるだろうが、それをどういう風に活かしていくのか、どう果実をとるのかを考えてほしい。

・実行できるだけの足場がサロンチームで出来た。何かを作りだす塊が商店街に出来たことがとても大きいと思う。津の定番になるということも1つの意義だが、同じような流れが津市に広がって実行者が増えることも1つの意義と考える。

・タスクフォースのステップアップする次の形がサロンというものではないかと考えている。連鎖反応的に同じような機能を持った団体が増えていくと良い。集まりができていくという仕組みが出来れば。サロンを運営していくためには何が重要か?

→会議を引っ張っていくファシリテーターの育成と、サロンのルール作り(全員が意見を出すためのポストイットの使用や、他人の意見を否定しないなど)を行い、ワークショップ的に行うことが必要。

・今回のメンバーが他の地域に行ってファシリテーターとして活動していくことも出来る。例えば、大門再生伝説のメンバーがサロンの中で企画を揉んでもらい、サロンのスタイルで大門を変えていくということも可能。サロンを作るための心構えなど、マニュアルのようにみんなで共有できるものを作ってほしい。新しく生み出したものとして伝承していってほしい。

・行政も話し合いを見守ってもらうことで、出来る部分でサポートしていただけると嬉しい。

 

《伊勢の帰りに朝日屋の松阪牛ツアー》

伊勢の帰りに朝日屋の松阪牛を食べてもらうツアーのモデルコースの提案。朝日屋、津観音、津都ホテルなどの老舗を連携させて、津市の魅力を発信する。伊勢の帰りに朝日屋の松阪牛を都ホテルのランチとして食べてもらい、津観音に寄ってもらい、朝日屋の松阪牛をお土産にもって帰ってもらう予定。

新しい核を作って復活している商店街の例がある。津市の中心街を考える時、津城復元と津観音と朝日屋の松阪牛の二つが核であると考える。

まずはモニターツアーでアンケート調査し、その後は観光業者などを招いて試食会も行う予定。近々試食会を行う予定なので、ご協力をお願いしたい。

 

○質問・意見

・津というものをもっと前面に出した方がいいと思う。現在、観光というものが変わってきているので、そういった時代の変化も勘案すると良いと思う。ニーズをもっと知ることが大切。名所旧跡ではなくて、“いなか”を求めてきている観光客は多い。中国からの留学生に聞いたのは、癒しの空間などでいなかはリピーターが多く、地域の中により深く入っていくことを求めているという話だった。観光の売り方はこれからもっと変わっていく。豆矢が売れているのは1つの方向展開の表れだと言われた。

・朝日屋や津観音という切り口はいいと思う。アンケートの中から思いも寄らない意見が出てきたりすると思うので、そういったものを大切にしていって欲しい。参加された方々の声を中立的に聞き取らないといけない。思いが強い人はそういった声が聞こえないことがある。

・体験型の観光が流行っている。観音さんで宿泊することや座禅体験は面白いのではないか。

・商店街で泊まれるのも面白いだろう。

 

《津学生情報室》

○発表概要

昨年度の話し合いから、メンバー募集を経て、構想を練り、取材・原稿執筆などを行い、11月に三重大学際、高虎楽座、津新町フェスタのイベントにて情報誌の販売を行った。12月には新規コアメンバーの編成を行った。別所書店や掲載店舗などでも販売している。現在1000冊程度販売した。

今後も新規のコアメンバーで第2号以降を制作していく予定である。

 

○質問・意見

・ついつい見たいと思う内容で、クオリティが高いと感じた。普通の情報誌とは違うものを感じ、また津を歩いてみたいなと思わされた。写真なども親しみやすくて懐かしい仕上がりになっている。全体的に古くて新しいと感じて良い。

・1000冊売れたのは凄い。3000冊を売り切る作戦を立てたらどうか。津市以外でも売ってみるなど発想を変えてみたらどうか。周辺の人達がもう一度津市を見直す機会に売れる可能性があるだろう。入学式でも配布するのではなく、販売したらどうか。その方がありがたみも増える。

・レンタサイクルは津市に無いので、津市にお願いしたい。

・レンタサイクルとコラボしたら面白いだろう。本自体がいろいろな人を巻き込めると良い。大門再生伝説のことを記事に載せたり、様々なものを組み合わせてつなげていったらどうか。

・来年度は予算が無くてもできるのか?

→来年度は今回と全く同じ形には出来ないだろう。やりようは何でもあると思うので、継続できる方法は頭を作って考えていきたい。

・とてもクオリティが高い。津新町商店街の店舗も2号では是非取り上げてほしい。

・スポンサーをつけられるとよい。将来的にはそういった視野も持ってもらえれば。

・2年目に新たな挑戦をしていくことが大切。

 

《中間報告を受けて、北川氏・津市長・西村センター長総括》

・ルーペの表紙の目線が大切。一度この視点でそれぞれの企画を見てほしい。俯瞰してみるだけでなく、ありのままを見るということ。(北川氏)

・このタスクフォースもアイディアを出すだけでなく、資金を用意して実行していけるという仕組みとして出来ているのが良い。市民の手でまちづくりを進めて行けるような仕組みを作っていければ良い。津市の職員にも、みなさんのちーむにいつの間にか入っていてほしい。行政が入るという形ではなく、いつの間にか巻き込んでいてほしい。(津市長)

・場作り・きっかけ作りをするために地域戦略センターは実施してきた。3年前から随分変わってきたなと思うのは、自ら動いていくという形になってきたところである。やった人でないと、辛いといった感情や達成感はわからない。いったことについて自分で動くということが巻き込んだ人への責任でもあるし、自身の楽しみにもなる。

地域戦略センターはイベント支援はしない。みなさんのしたことが以下に日常に定着していくかというところまでを考えてほしい。今年度で猛1つ深めながら、来年度に向かって集大成のような形で活動していってほしい。(西村センター長)

 

第3回全体会議は上記のように活発な意見交換がされました。

次回は2月19日に行われる第4回全体会議(最終報告会)です。最終報告会に向け、各チームは企画を詰め、実施していきます。

 

お問い合わせは「三重大学地域戦略センター」059-231-9899までお願い致します。