三重大学みえの未来図共創機構 産学官連携推進部門

トピックス

2011.12.16

熊野-南牟婁郡御浜町尾呂志地区

風伝おろしさぎりの里直売所

南牟婁郡御浜町尾呂志地区へ視察で行ってきました。 人にも場所にもおいしいものにも出会いが多い、充実した視察となりました。

朝、日の出前に宿を出発し、まずは風伝おろし見学。天気のよい晩秋の朝、いろいろな気象条件がそろわないと見られない自然現象。山から滝のように霧が流れてくるそうです。この日は山裾から少し流れ出てくる程度。地元のお母さんたちによると10点にも満たないとのこと。いつか満点の風伝おろしを見たいものです。

まず最初に訪ねたのは、国道311号線沿いにある、さぎりの里直売所。地元でとれた新鮮な野菜・柑橘類、激しい寒暖差によってできるおいしい「尾呂志米」、切り花などが販売されていました。なかには見たことのない野菜や柑橘もあり、それをきっかけに販売員のお母さんたちと話がはずみました。

この視察の中でとくに興味深かったのが尾呂志学園小・中学校と尾呂志リハビリ診療所。尾呂志学園は、地域から学校(子育ての場)をなくしてはいけないという住民らの強い思いによって、廃校の危機を乗り越え、素晴らしい小中連携のコミュニティスクールとなったそうです。設計には地域の人も参加されたそうですが、とにかく魅力的。図書コーナーはオープンスペースで、地域の人も利用可。1階の小学校の教室の壁(パーテーション)は可動式で、これは万が一、廃校になった場合に備えていろいろな使い途ができるようになっているのです。雨水利用システム、太陽光発電、谷水利用、衛星電話等があり、ここは地域の避難所にもなっています。音楽室の壁であるパーテーションを外すと隣は体育館。音楽室がステージに、体育館が客席となりコンサートホールに変身。中学校は、教科教室になっていて、数学教室には座標黒板や電子黒板、理科教室には可動式のプラネタリウムがある。などなど、とにかくすごいです。

図書コーナー音楽室=ステージ

尾呂志リハビリ診療所は、近くにある尾呂志診療所の医師が、取り壊す予定の元中学校を自費で改装してリハビリ診療所に。老人たちがジムにあるようなマシンで筋肉を鍛えていました。敷地の隣では、高齢者福祉施設を建設中。

過疎地なのに教育も医療も誇れるものがあり、意欲的な地域の人がいるので、これからいろいろな取り組みが行われることでしょう。

産学連携コーディネーター 茶原真佐子