三重大学みえの未来図共創機構 産学官連携推進部門

トピックス

2017.03.03

津市榊原町でのスギナ茶の商品開発について

平成28年度受託事業「地域活性化プランスタートアップ促進業務」では、(一社)一志パラサポート協会が販売する新規作目(農産物)や加工品の安定生産を実現させ、年間を通じた収益を確保することにより、農業の一翼を担う障害者や、6次産業化人材の雇用につなげることを目的に、イチジクの温室に生えているスギナを活用して、スギナ茶を商品化、健康茶として販売することについて支援した。

このスギナ茶は、温室育ちでノンカフェイン、カルシウムもミネラルも潤沢な旨みを感じる健康野草茶です。

地域戦略センターでは、スギナ茶を商品化するに当たり、以下の3項目について提案した。

  1. ①除草および野草の刈取りの効率化・・障害者用の加工を施したエンジン付き茶摘機を使用することで、刈りとったスギナを備え付けの袋に直接回収できるため作業効率が上がり、作業者の負担が軽減される。
  2. ②販売先・・国内のこだわりのある商品店向けパッケージで販路開拓
  3. ③PR・・消費者においしい野草茶の淹れ方を提案するなどの他に、売り上げを上げるために下記3点に注力した
  4. ■事業者名『(一社)一志パラサポート協会』のロゴマークを作成する
  5. ■試作品パッケージ『スギナ茶』のパッケージデザインは素材にこだわりを持つ客層向けデザインにする

  • ■味の調整として、スギナ茶に玄米茶をブレンドして商品化する

☆スギナ茶の販売について

2017年3月現在の状況としては、6月の六次産業化の審査会に向けて、味の調整等のために、3月5日に津市内で開催された「大門ありえやんフェス」にて“スギナ茶試飲コーナー”として出店参加し、試作品のアンケートを取った。認可後には、スギナ茶と玄米茶が絶妙な割合でブレンドされた1袋5g入りのティーバッグ10袋が、内側がアルミ蒸着パックのクラフト袋に入れられ、「伊勢神撰 スギナ茶」と命名されて販売される。

※(一社)一志パラサポート協会(津市榊原町)の紹介

津市榊原町は青山高原の東の麓に位置し、周辺は緑豊かな里山が広がっており、海岸線から約15km入っているため、気温が幾分低く、降水量も海沿いの地域に比べると少なめとなっています。隣接する稲葉集落にある稲葉特別支援学校の生徒の農作業体験を受入ていた川原田農園と障害者福祉の実践を希望する元津NPOサポートセンター代表理事が、農福連携で障害者の社会参画を図ろうと合意したことから、(一社)一志パラサポート協会が平成26年夏に設立され、平成27年2月にはB型作業所「スマイルコーン」が開所されました。作業所「スマイルコーン」では、農福連携を継続していくため、通所者に農業への関心をもってもらい、ひとり一人の得手不得手に応じた作業を見出し、協力しながら生産活動を行っています。また、地域の農地保全につながる活動により、地元集落や関係機関への認知を高めていき、協力し合える関係づくりをめざしています。