三重大学みえの未来図共創機構 産学官連携推進部門

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2012.01.28

尾鷲ヒノキを巡る地域活性化の取り組み

熊野市の七里御浜の近くにあるメイドイン熊野の量り売り&衣食住のお店「木花堂(このはなどう)」を訪ねました。

地元産のフノリ、ヒジキ、干し椎茸などを量り売り。その他、みかんジュース、那智黒石や尾鷲ヒノキの製品などもあります。その中におもしろいネーミングの「へむへむタワシ」がありました。

これは尾鷲ヒノキを削ったシートを編んで作られたタワシ。アクリルタワシのように洗剤いらずで油汚れも落ちるとか。尾鷲は屋久島に次いで雨の多い地域。ヒノキは腐らないよう樹脂を蓄えるため、その樹脂が油を吸着してくれるそうです。

へむへむタワシの作り手に会いたい! ということで、続いて尾鷲市のNPO法人「海虹路(えころ)」の池田比早子さんのところへ。

池田さんはもともと尾鷲ヒノキシートでコサージュを作っていた作家さん。地元の資源について子どもたちにも知ってほしい、そしてふるさとに誇りを持ってほしいと、小中学校でコサージュづくりなど体験学習の指導も行うようになりました。そうなるととても一人ではやっていけません。そこで立ち上げたのがこのNPO。現在は10人のメンバーが手分けして、様々な尾鷲ヒノキのクラフト体験の指導をしているそうです。

例えば、中学校の卒業式で3年生が胸に付けるコサージュを下級生が作ったり、地元の高校生を巻き込んで、尾鷲ヒノキで作ったオカリナコンサートもやっています。

「ヒノキシートを見て『かんなくずですか?』という人もいますが、『くず』ではありません。材料としてここにお金を発生させることが大切なんです」と池田さん。地元の材を循環させ、山を守り、未来を担う子どもたちにも伝える。尾鷲ヒノキを中心に人の輪も広がっているようです。

木花堂 へむへむタワシ

(写真 左:木花堂 右:へむへむタワシ)

地域プロデューサー 浜口美穂